ASD(自閉スペクトラム症)の方が就労を希望する際は、ASDの特性をよく知るとともに自己理解を深め、自分に合った仕事を見つけることが大切です。
当記事では、一般企業への就労を希望するASDの方のために、ASDの方に向いてる仕事や仕事探しのワザなどをお伝えします。
この記事を読むことで、ASDの方が適職を見つける手がかりが得られ、さらに仕事探しに役立つ知識とスキルを身に付けられます。
一般就労を目指しているASDの方でしたら、ぜひ当記事を最後までお読みください!!
終わりの方では、あなたの就活を後押ししてくれる支援機関も紹介してあります。
ASDとは
ASD(自閉スペクトラム症)は、生まれつきの脳機能の特性による発達障害で、社会的なコミュニケーションや行動に特有の困難を伴います。
ASDの主な特性は以下の2点です。
■対人関係の困難さ… 他者とのコミュニケーションが苦手で、感情の理解や共感に困難を抱えることがあります。
■こだわりが強い・反復行動… 特定の物事や日課に強いこだわりを持ったり、同じ行動を繰り返したりすることがあります。
感覚の過敏さや鈍感さもよく見られ、知的発達に遅れがない場合もあれば、ある場合もあります。
ASDの特性は一人ひとり異なり、同じASDの方でもそれぞれ違った現れ方をします。
ASDを個性と理解し、ASDの方が持つ独自の視点や能力を活かすことが大切です。
また、早期からの適切な支援により、充実した社会生活を送ることが可能です。
【ASDの特性から】ASDの仕事における強み
ASD(自閉スペクトラム症)の方は、その特性から、仕事において多くの強みを発揮することがあります。ASDの方の仕事における強みを以下に紹介します。
【強み①】集中力と専門性
ASDの方は、興味のあることや特定のタスクに対して、高い集中力を発揮することがあります。
・この特性は、深い専門知識やスキルの習得に役立ちます。
・繰り返しの作業やルーティンワークに対して、飽きずに精度高く取り組むことができます。
【強み②】論理的思考力と問題解決能力
ASDの方は、物事を論理的に捉え、秩序立てて考えることに優れています。
・この特性から、複雑な問題を体系的に分析して、効率的な解決策を導き出します。
・事実に基づいて客観的な判断を下せます。
・他とは異なる視点を持つことから、新しいアイデアを生み出す力があります。
【強み③】正直さと倫理観
ASDの方は嘘をつくことが苦手であり、とても正直で誠実です。
・この特性から、約束やルールをしっかり守り、与えられたタスクは責任感をもってやり抜きます。
・不公平な状況や誤りに対して敏感であり、倫理的に正しい行動を大切にします。
【強み④】細部への注意と正確性
ASDの方は細部への注意力の高さに優れています。
・この特性から、仕事においてミスを発見する能力が高く、他の人が見落としがちなところでも誤りや矛盾点に気づけるため、正確な成果物を作成できます。
・完璧主義であり、業務で与えられた課題は、最後まで完璧を目指して取り組むため、質の高い成果物に仕上げることができます。
【強み⑤】ルールや手順の遵守
ASDの方は、ルールや手順などに従い、よく守るため、業務において安定して高い遂行能力を発揮します。
・この特性から、与えられた指示やマニュアルを忠実に守り、正確に作業を進めます。
・特に、変化の少ない予測可能な環境において高い生産性を維持します。
【ASDの特性から】ASDの方に向いてる仕事
ASD(自閉症スペクトラム症)の特性を踏まえると、ASDの方に向いてる仕事は以下のような特徴を持っています。
・一人で集中して作業できる環境がある。
・明確なルールやマニュアルがある。
・定型業務が多い。
・コミュニケーションが比較的少ない。
・定型的なコミュニケーションが多い。
・専門知識やスキルを深められる。
・正確性や緻密さが求められる。
・急な予定変更が少ない。
ASDの特性を踏まえて、ASDの方に向いてる仕事を以下に紹介します。
【仕事①】集中力・正確性を活かせる仕事として…
プログラマー、システムエンジニア、データ入力、データアナリスト、校正・校閲、経理・会計、品質管理・検査、CADオペレーター、研究職、図書館司書、資料整理など
【仕事②】ルーティンワーク・専門性を活かせる仕事として…
工場作業員、職人、倉庫内作業員(仕分け・ピッキングなど)、清掃業務、事務職(一般事務・経理事務など)、翻訳・通訳、設備点検・保守など
【仕事③】独自の視点・創造性を活かせる仕事として…
Webデザイナー、グラフィックデザイナー、イラストレーター、ライター、テクニカルライターなど
ASDの方が個々の特性をよく理解し、自分に合った仕事を選ぶことが大切です。どのような仕事であれば、自分の特性や強みを活かせるかをじっくり考えましょう。
ASDの方に役立つ仕事探しのワザ
ASD(自閉スペクトラム症)の方が仕事を探す際は、自分の特性を理解し、それに合った雇用形態、仕事、職場環境を選ぶことが重要です。
また、ASDの方の就労サポートを得意とする就労移行支援事業所を利用して、就労に必要な訓練や指導を受けることもできます。
以下に、ASDの方に役立つ仕事探しのワザを紹介します。
【ワザ1】主治医に相談する
仕事探しを始める前に、担当する主治医に相談しましょう。
主治医は、あなたの特性や状態をよく理解しています。そのため、仕事探しや働き方について、医師の立場からアドバイスを与えることができます。
※上記の相談時、ASDの二次障害(うつ病、不安障害など)の有無を確認して、必要な際は治療することが大切です。
【ワザ2】自己理解を深める
自分のASDの特性をよく把握して、自分の強みや得意なこと、苦手なこと、他者に求める配慮が必要な点などを理解することが大切です。
自己理解とは、ASDという発達障害の特性を踏まえ、自分の強みや弱み、行動パターン、感覚などを客観的に理解することです。
自己理解を深めることで、適職探しを容易にし、日常生活や社会生活における困難さを軽減できます。
【ワザ3】職場環境を重視する
急な予定変更が少ない、一人で集中できる、マニュアルが整備されているなど、自分の持つASDの特性に合った職場環境を選ぶことが重要です。
職場環境で失敗しないために、職場の雰囲気や作業環境、サポート体制などを事前にリサーチしておくことが大切です。
希望する仕事先が職場体験を実施しているなら、ぜひ参加してみましょう。
【ワザ4】雇用形態を検討する
一般雇用だけでなく、障害者雇用も検討することで、ASDの特性に応じた配慮を受けやすくなります。
障害者雇用では、障害者一人ひとりがその特性に合わせた働き方ができるように、行政や企業側が特別に障害者雇用枠を設定して障害のある人を雇用します。
※障害者雇用では、応募条件として障害者手帳が必要です
【ワザ5】就労支援機関などを活用する
ハローワークの障害者専門窓口や地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所などの専門機関を活用しましょう。多くの求人情報が得られるとともに、自分に合った仕事を見つけるための専門的な支援が受けられます。
ASDの特性の現れ方は一人ひとり異なるため、ASDの方に適した仕事も一人ひとり異なります。自分の特性や強みをよく理解して、それらを活かせる仕事を探しましょう。
そのためにも、ご紹介した5つの仕事探しのワザを、ぜひ実践してください!!
まとめ
この記事をまとめます。
初めに、ASD(自閉スペクトラム症)について簡潔に解説しました。
次に、ASDの特性を踏まえて、ASDの方の仕事における強みについて解説しました。
そして、ASDの特性を踏まえて、ASDの方に向いてる仕事を特性ごとに紹介しました。
終わりに、ASDの方に役立つ仕事探しのワザについて説明しました。
ASDの特性はさまざまで、その現れ方は一人ひとり異なります。このため、ASDの方で自分の特性を十分理解している方は案外少ないのでは?
そこで、おススメなのが就労移行支援事業所「ケイエスガード」です。
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