知的障害とは医学的に「精神遅滞」とも呼ばれ、問題解決力や計画性、判断力や学力などの機能に支障がある発達障害の一種です。
障害の程度には軽度から重度まで個人差があるため、なかには「健常者との違いがない」と判断され職場内で十分な理解が得られず、配慮が行き届かないケースもみられます。
知的障害とは仕事においてどのような困難が生じるものなのか、まずは障害を抱えているご本人が自身の状況を理解したうえで周囲に理解を促し、不安感やその他の感情とも向き合っていくことが重要です。
本記事では知的障害のある方が働くことはできるのか、障害と向き合いながら働くための方法、知的障害を持つ方に適した勤務環境について紹介します。
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知的障害の方は働くことができるのか
知的障害の方は、軽度から重度まで程度に個人差があります。就業し、働き続けるためには自身のスキルや心身の状態を考慮し、自分に合っている環境を選ぶことが大切です。
障害があることを把握する
知的障害の方が就業するには、ご自身が障害について向き合い、生活や仕事のどの部分に支障をきたしているかを把握することが第一です。支障をきたしている部分がわかれば、改善するための取り組みや周囲からのフォローが受けやすくなります。
また、知的障害といっても程度や内容は千差万別であるため、自身の障害をよく知ることで周囲にも理解を促しやすくなります。
障害者雇用枠の中で働く
知的障害をもっていても、程度によっては企業や法人で一般就労をすることができます。しかし、少しでも理解ある職場を求めるならば「障害者雇用枠」が設けられている職場を選んだほうが安心です。
障害者雇用枠がある職場は障害を抱える方への理解や配慮に努めているため、一般企業よりも周囲からのサポートが得られやすい特徴があります。一般の求人と同じように職種が自由に選べるため、好きなことや興味のあることを仕事にできます。
知的障害と向き合いながら働く方法
知的障害は軽度から重度まで4段階に分かれており、仕事を選ぶ際には自分の体調や特性に合う働き方を選ぶことが大切です。
たとえば仕事についていくのが精一杯の方が、次から次へと難解なタスクをこなしていくと心身は急激に疲労してしまいます。この場合、知的障害の特性と仕事内容(職場環境)が合っていないと判断できますね。
仕事を教えてもらうときは、概要ではなくマニュアルを用意し、「手順」と「注意点」を分けて理解をするように、一つずつ段階を踏みながら教わると知識が定着しやすくなります。
知的障害の方が働くのに適した場所
知的障害の方が働くのに適している場所について、就労環境や業種も踏まえながら解説します。
製造業での製造・加工業務
食品会社や食品を扱う店舗に入り、製造・加工業務に従事するお仕事です。マニュアル通りに商品を形作る製造業務は難易度が低く、一緒に作業をする健常者がサポートに入るため、安心して作業に従事できます。
倉庫・バックヤード系の業務
コミュニケーションが苦手な方でも、倉庫やバックヤードの業務は気兼ねなく作業ができます。搬入された品物を並べて分類したり、期日や時期に応じて入れ替えを行ったりするお仕事です。
軽作業・清掃などのお仕事
製品の梱包や清掃業務は肉体を使うお仕事ですが、精神疲労が少なく数をこなせるので、やりがいが感じられる仕事です。求人数も安定的に多いため、難易度の低い仕事から始めたい方に向いています。
福祉的就労も活用して就業先を見つける
いかがでしたでしょうか?今回は、知的障害を抱える方の働き方や働く場所について紹介しました。周囲を頼ることはもちろん大切ですが、一人で抱え込まずにまずは専門機関にご相談ください。
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