電車やエレベーターなどでいきなり頭痛に襲われ、心臓の鼓動が激しくなり身体中から冷や汗が流れ落ちてパニック状態になる。
けれども10分ぐらいしたら何事もなかったように元に戻り、病院で診てもらったけど身体に異常はないと言われました。
そんな経験はありませんか。
このような発作に繰り返し見舞われる場合は、パニック障害の可能性があります。
ストレス社会の現代では、決して珍しい病気ではありません。
100人に一人が患い、パニック発作だけなら10人に一人は経験する、とさえ言われているのです。
パニック障害を告白した芸能人が、たくさんいることを知っていますか。
この記事では、芸能人にパニック障害が多い理由やその克服の方法などを解説いたします。
パニック障害が芸能人に多い理由と克服した人は?
芸能界にはパニック障害を患い、克服した事実を告白する人がたくさんいます。
では、なぜ芸能人にパニック障害が多いのでしょうか。
テレビカメラや観客の前で緊張を強いられることの多い芸能人は、つねにプレッシャーの中で仕事をしています。
また、ロケバスなどの狭い環境で長時間拘束されることも、多くのストレスをためることになるのです
このような仕事の環境が原因で芸能人には、パニック障害が多いと推測されています。
パニック障害を克服した芸能人はこんなにいる!
パニック障害に苦しんだ経験のある芸能人はたくさんいます。
KinKi Kidsの堂本剛さん、ミュージシャンの星野源さん、タレントの長嶋一茂さん。
さらにはシンガーソングライターの円広志さん、アナウンサーの丸岡いずみさんなど、まさに多岐に渡ります。
若手では『King & Prince』の岩橋玄樹さんもパニック障害を理由にグループを脱退し、ジャニーズ事務所からも退所しましたが、現在は病を克服しソロとして活躍しています。
また、同じくジャニーズ「Sexy Zone」の松島聡さんもパニック障害で活動を休止していましたが、現在は芸能活動に戻りました。
皆さんが早期にパニック障害を克服できたのは、専門医に診断を仰いだことが大きかったようです。
「どんだけぇー」のIKKOさんもパニック障害だった!
「どんだけぇー」が流行語にまでなった、ヘアメイクアーティストでタレントのIKKOさんがパニック障害だったとは、ちょっと意外な気もします。
克服できた理由をこのように語っています。
「何をしたら、どういう環境だったら安心できるか、自分に合った対処法を見つけることが大事です」
『朝日新聞デジタル』2020年1月23日版より
そして、パニック障害に苦しむ人たちに、次のようなメッセージを送っています。
「もう苦しまないで。
あなただけではないのですから。
外で太陽を見ながら、ゆっくり有酸素運動するだけでずいぶん違ってくると思います」
『朝日新聞デジタル』2020年1月23日版より
IKKOさんもやはり専門医の治療を受けて克服した一人です。
文豪・谷崎潤一郎もパニック障害だった?
日本でパニック障害が知られるようになったのは、1990年代以降のことです。
だが、1965年に亡くなった作家の谷崎潤一郎さんは若いころ、パニック障害だったと考えられています。
小説『悪魔』では主人公が名古屋から東京へ戻る電車内で発作を起こし、何度も下車を繰り返しながら、ようやく自宅にたどり着くまでを事細かに描写しているのです。
これは、谷崎自身の体験をもとに書かれたもので、作品では『電車病』と表現されています。
谷崎潤一郎さんと言えば『細雪』『痴人の愛』などで有名な日本を代表する小説家です。
公開された機密文書により、ノーベル文学賞の選考過程で、最終候補5人に名を連ねていた事が明らかになりました。
このような文豪が今で言うパニック障害を告白しているのですから、とても興味深いものがあります。
パニック障害に対する谷崎潤一郎の時代と現代の違いとは?
パニック障害だったといわれる谷崎潤一郎さんが生きた時代は、いまよりずっと寛容な社会でした。
パニック障害で苦しんでいる人は繊細だからとか、それ自体が一種の個性だと思われていたようです。
通勤途中で発作を起こした事のあるサラリーマンは、電車が苦手になってしまいます。
そのような人が出社時間に多少遅れたとしても、強くとがめられることがなかった時代でした。
遅くまで働いて、その分を取り返してくれれば良い。
そんな雰囲気だったと考えられます。
けれども、今は分刻みで管理されている時代です。
「体調がすぐれないから、今日はゆっくりやろう」と思っても、そう簡単ではありません。
専門医の診断を受けて早期に治療することが求められます。
パニック障害を克服するための治療方法とは?
現在、パニック障害を克服するための治療には、薬事療法と精神療法が有効とされています。
その二つの方法を解説します。
パニック障害の薬物療法とは?
薬物療法は効果が出るまでに3週間ほどかかりますが、この時期を乗り越えると治療がスムーズに進みます。
データや専門医の証言により薬事療法は、パニック障害克服に極めて有効であることが証明されています。
パニック障害の精神療法とは?
パニック障害の精神療法は、薬物療法と併用することが一般的です。
専門医と対話しながらパニック発作をよく理解し、発作を引き起こす考え方や行動を改善します。
精神療法は時間を必要としますが、対処法を身につけることで再発防止にも役立つ治療法です。
パニック障害を克服するために日常で気を付けること
パニック障害は一進一退を繰り返しながら治っていく病気です。
治療が長引くこともあるため完全な回復や再発防止には、日常生活の過ごし方がとても重要になります。
多くの芸能人が実践している事例などを参考に、パニック障害を克服するために日常生活で心がけるべきことを紹介しましょう。
ストレスをためない
パニック発作はストレスが原因となりやすいので、ゆとりのある生活を心がけましょう。
できる限りゆったりと過ごし、優雅さを心がけて下さい。
仕事や人間関係だけがストレスの原因ではありません。
睡眠不足や過労も身体に大きなストレスを与えるため、十分な注意が必要です。
焦らずに治療する
薬による治療効果が思ったほど早くあらわれない場合や、治療の期間が予定より長引いたとしても回復を焦らないようにしましょう。
パニック障害は多少時間がかかったとしても、適切な治療を続ければ克服できる病気です。
不安なことがあったら迷わず医師に相談し、一緒に対処法を見つけ出してください。
規則正しい生活を心がける
パニック障害の克服には、体調管理と睡眠不足の解消は極めて大事です。
規則正しい生活と適度な運動により、適切な睡眠時間のサイクルを保ちましょう。
- 早寝早起きを実践
- 外の新鮮な空気を吸い、日光にあたる時間を増やす
- 三度の食事を同じ時間に摂る
- 毎日の目標を立て、計画に沿った生活を心がける
このようなことが非常に大切です。
家族や周囲の協力が不可欠
パニック障害は心理的な不安や恐怖が大きいため、周囲のサポートが不可欠です。
家族や周囲の人々にパニック障害について理解してもらうことにより、精神的負担が軽くなり回復につながります。
コーヒーは控えましょう
パニック障害にカフェインは有害です。
コーヒー5杯分のカフェインを摂ると、半数以上のパニック障害患者は発作を起こすことが分っています。
カフェインには、脳内のアデノシンという神経伝達物質の働きをストップさせる作用があるので、パニック障害にはよくありません。
コーヒーはカップ一杯分に含まれる含有量が多く、紅茶などよりリスクが高いので控えてください。
アルコールは避けましょう
アルコールは不安を誘発するため、なるべく避けましょう。
また、アルコールは中枢神経系に対して抑制的に作用するため、呼吸器系統にも影響を及ぼし、場合によっては呼吸困難を招きます。
一気飲みが大変危険なのは、このことが大きな理由です。
アルコールは避けるよう心がけてください。。
喫煙はやめましょう
パニック障害を患う人に喫煙者が多いとのデータがあります。
ニコチンにもアルコールと同じような作用があるので、注意が必要です。
喫煙中や直後には不安解消の働きをしますが、ニコチンが切れると不安を呼び起こす作用があり、パニック症状の引き金になる場合があります。
まとめ
パニック障害は適切な治療によって克服できる病気です。
放置していては治りません。
多くの芸能人や著名人もパニック発作に苦しみましたが、早期の治療と生活の改善によって回復できたと告白しています。
精神科や心療内科などの専門機関に相談して、早期の発見と治療が回復を早めます。
身体的な症状がありませんので、専門医による診療が不可欠なのです。
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