仕事がうまくいかずに、「自分はアスペルガー症候群かも?」と考えたことはありませんか?アスペルガー症候群かもしれないと思ったら、まず病院に行って診断を受けることが大切です。アスペルガー症候群の診断を受けると、社会生活について公的なサポートを受けられます。
この記事では、大人のアスペルガー症候群に当てはまる特徴や、仕事に関するよくある悩みを紹介するので参考にしてください。さらに仕事がうまくできずに悩んでいる場合は、就労移行支援施設のケイエスガードへの相談も考えてみてはいかがでしょうか。
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アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群は、コミュニケーションや対人関係に影響を及ぼす障害です。反復行動と同一性へのこだわりが見られる点も特徴です。
またアスペルガー症候群は過去に使われていた診断名で、現在は自閉スペクトラム症に含まれます。知的障害を伴わないため、大人になってからアスペルガー症候群に気づくこともあります。
大人のアスペルガー症候群の特徴
大人のアスペルガー症候群の特徴は次のとおりです。
- 感覚が敏感だったり鈍感だったりする
- 運動が苦手
- 集中力や記憶力が優れている
- コミュニケーションが苦手
- 人間関係のトラブルを抱えやすい
それぞれの特徴について詳しく解説します。
感覚が敏感だったり鈍感だったりする
アスペルガー症候群の方は、極端に感覚が敏感なため、人通りの多い場所では、相手との会話に集中できないことがあります。
さらに、周囲の音が気になって仕事に集中できなかったり、臭いのある食品を食べられなかったりする点も特徴です。一方で季節ごとに変化する気候や気温に対しては鈍感で、季節に合わせた服装を選べないこともあります。
運動が苦手
アスペルガー症候群の方は筋肉や関節の動きが脳に伝わりづらいといわれています。そのため、脳が体の動きをうまく調整できずに、不器用に見えることがあるようです。幼少期には、ハサミの使い方や階段の昇り降りがうまくできないなどの症状が現れます。
集中力や記憶力が優れている
アスペルガー症候群の方は、平均以上の集中力と記憶力を持っている場合もしばしばあります。さらに興味のあることには、かなりの長い時間集中できます。普通であれば退屈するような単純作業でも、興味があれば長時間集中して取り組めるのです。そのため、特定の分野で優秀な成績を収めたり、周囲を驚かせるような結果を残したりすることもあります
コミュニケーションが苦手
アスペルガー症候群の方は自分の考えをうまく言葉にして話をすることが苦手です。また、話すときに相手と視線を合わせようとしない点も特徴です。
会話中のジェスチャーが極端に大きかったり、逆にまったく身振り手振りの動作が見られなかったりする特徴もあります。
人間関係のトラブルを抱えやすい
アスペルガー症候群の方は自分の思ったことや事実をありのままに伝えるため、人間関係のトラブルを抱えることもあります。通常であれば、相手を怒らせたり傷つけたりしないように、伝え方に気を配ります。しかしアスペルガー症候群の場合は、相手に与える精神的な影響を考えて話すことが苦手です。
また相手の嘘や誠実ではない人を見抜くことが難しい点も特徴です。そのため素直に人を信じ、しばしば騙されることもあります。本人は礼儀正しく相手に接しているつもりでも、本人の無自覚なままに相手に無礼な印象を与えることもあります。
アスペルガー症候群の方が仕事で抱える悩みあるある
アスペルガー症候群の方が「仕事で抱える悩みあるある」は次のとおりです。
- 上司や同僚を怒らせてしまう
- 急な仕事の依頼に臨機応変に対応できない
- 職場のルールに合わせられない
- 仕事のストレスで二次障害に陥る
それぞれの悩みについて詳しく解説します。
上司や同僚を怒らせてしまう
遅刻や同じミスを繰り返して、上司や同僚を怒らせることがあります。また挨拶ができなかったり、敬語が使えなかったりする場合もあるため、「この人はマナーがなっていない」と思われることもあるようです。相手にネガティブな印象を与えて、人間関係のトラブルを抱えることもあります。
急な仕事の依頼に臨機応変に対応できない
アスペルガー症候群の方は現在行っている仕事に集中して、周囲の状況が目に入らなくなることがしばしばあります。そのため、突然の仕事依頼や予定外のできごとに対応できないことも多いのです。急な変化に対応するために気持ちを切り替えられず、新しいルールや手順を守れないこともあります。
職場のルールに合わせられない
アスペルガー症候群の方は他人から指示された通りに仕事を進めたり、提示されたルールに従えなかったりする場合もあります。自分のやり方にこだわる傾向があるため、職場のルールに慣れるまでに時間がかかる点も特徴です。
仕事のストレスで二次障害に陥る
アスペルガー症候群の方は障害をかかえていることが外から見えづらいため、周囲からの理解を得られづらい側面にあります。職場の人と対立したり、周囲からいじめられたりして人間関係によるストレスが蓄積することもあるでしょう。
ストレスが蓄積すると、心身のバランスを崩し二次障害に発展するため注意が必要です。二次障害にはうつ病や強迫性障害、睡眠障害などの精神疾患が考えられます。

アスペルガー症候群が疑われる場合は病院を受診しよう
アスペルガー症候群が疑われる場合は、二次障害を予防するためにも病院を受診した方がよいでしょう。アスペルガー症候群であることがわかれば、適切な対策を講じたり、公的な支援を受けられたりします。ここでは、病院で行われる診断法や治療法について解説します。
診断方法
アスペルガー症候群の診断は、精神科医や心療内科医によって行われます。医師による問診やAQテスト、知能検査などを受け、各診断基準をもとに障害の重症度などを考慮して診断が下されます。
また診断に際して、医師から生育歴などを聞かれることもあるため、母子手帳や育児ノート、通知表などを用意しておくとよいでしょう。診断を受けるためには、複数回の通院が必要な場合もあります。
治療法
病院で行われるアスペルガー症候群の治療では、自己理解を深め、社会生活を送りやすくするための訓練を受けます。まずは自分が他人からどのように見られているかを客観視し、自分自身への理解を深めます。自己理解を深めた後は、コミュニケーションの訓練や社会生活を営むためのトレーニングを受けます。
アスペルガー症候群の強みを活かせる仕事を探そう
アスペルガー症候群の方は、自分の強みを活かせる仕事を見つけることをおすすめします。アスペルガー症候群の強みは次のとおりです。
- 数字や出来事から、周囲に流されない事実に基づいた分析ができる
- 細部までルールに従って緻密に作業を積み上げられる
- データ情報を正確に素早く処理できる
以上を考慮すると、経理や財務、法務などのルールに従って業務を遂行する仕事に向いていると考えられます。またデータ情報を処理する能力が問われるデータアナリストやデータサイエンティストなどの仕事が適している場合もあるでしょう。
アスペルガー症候群の方が実践したい仕事術
アスペルガー症候群の方は、仕事術を活用することで、自分の弱点を補える可能性があります。アスペルガー症候群の方が実践したい仕事術は次のとおりです。
- 仕事内容をリスト化する
- 指示内容を具体的にするように周囲に協力を仰ぐ
- アラームを活用する
- 整理整頓用の時間を設ける
- 説明は文章や図式化してもらう
アスペルガー症候群の方は、時間管理をして仕事に遅刻しないことや業務を時間内に終えることがとくに重要です。次の記事では、発達障害の方におすすめの時間管理術を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
アスペルガー症候群で就職に悩んでいる場合はご相談ください
今回は大人のアスペルガー症候群の方に当てはまる特徴や、仕事上の悩みについて解説しました。アスペルガー症候群が疑われる場合は、病院を受診して診断を受けるとはっきりとした結果がわかります。
アスペルガー症候群が原因で、なかなか就職ができない悩みを抱えている場合は、川崎市にあるケイエスガードにご相談ください。就職するまでのサポートを無料で受けられますよ。